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見えないコントロール

無意識領域に固着してしまう役に立たない固定観念の要因は、なにも大きなトラウマ的な出来事だけとは限りません。

 

その多くは、日常的な些細に見える出来事として、「見えないコントロール」として起きています。

 

 

 

見えないコントロールのひとつに「ダブルバインド(二重拘束)」というものがあります。

 

日常的に起こる虐待と言ってもいいと思います。 全く相反する、矛盾するメッセージをほぼ同時に投げかけている傷つけ方。

 

長い間繰り返されると、相手はどうしたらよいのか分からなくなり、人を信じることもできません。

 

無気力・無関心・空気を読みすぎる人、自己肯定感低下の悪循環モードになってしまいます。

 

こういうメッセージを出す人は本音を表現しません。そして周りにも本音を言えない人を量産してしまいます。

 

 

 

たとえば、 

 

例1:「今日は無礼講だ、何を言ってもいいぞ」と言った上司に対して、実際に発言したら「なんだそんなことしか言えないのか」と怒られ、何も言わなかったら「覇気がない」と嫌味を言われる。

 

例2:いつもは「勉強なんかしなくてもいい、健康であればいい」と言っていた親が、子供の成績を見て、「なんだ、こんな成績しかとれないのか」と言ってしまう。

 

例3:「わからないことがあれば何でも聞きなさい」「わからない場合はすぐに聞きなさい」など、普段から親切に接してくれる上司もいます。しかし、わからないことがあって、いざ質問をすると「自分でもっと深く考えてみなさい」「何でもすぐに聞くな」などと、普段の言動とは矛盾した答えを返される。

 

例4:ミスをした際に上司から指摘をされて、ただ話を聞く中で「何とか言いなさい」と言われることもあります。そこでミスの原因を説明しようとしても「言い訳をするな」などと返されてしまうこともあります。

 

例5:みんなが何でも話せるようにしましょうと先生が言いながら、今の学校はスケジュールがきついので、子どもに自由に話をさせていてもまとまらなかったりすると、先生が強引にある方向にまとめてしまったり、子どもがそこで何か突拍子もないことを言い出すと、思わずそれを押さえつけてしまったりする。

 

例6:本当は怒っているのに、「怒ってないよ」という言葉で言いながら、目は怒っていて、眉をつりあげる非言語メッセージ(ノンバーバル)を同時に伝える。

 

 

 

 

これらが「どうせ言ってもムダ」の無力感を生み出す土壌の大きな要因のひとつになっています。

 

幼い頃からの成長過程から、社会人になって働いてからも、もし身近な人から同じこのパターンの関係性になったら、無意識領域に固定化してしまっても、何ら不思議ではないでしょう。

 

自分の思いが伝わらない、聞いてもらえない、感動や好奇心が共感を生まない、という経験が続くと、世界はあまりにも無機質なものに見えてきます。

 

そして自分は無価値だという思いにとらわれてしまいます。傷つかないように自分を主張しません。本音を言うことが恐くなります。

 

 

 

 

 

 

さて、どうしたらいいのでしょう?

 

 

 

対処法としては、

 

 

1.まずはこの状況から抜け出す

 

まずはこの状況から抜け出すことが大切。他の上司や同僚など相談できる人に話してみましょう。

 

 

 

2.自分の感情を吐き出す

 

ダブルバインドを受け続けていると、自分の感情がマヒし、「こんなことで怒ってはいけない」とか「悲しいけど自分が悪いから」という錯覚に陥りやすくなりますが、決してそんなことはありません。感情を抑圧することは自分自身を大切にしていないことになります。怒りや悲しみを感じていたら、信頼できる人にその気持ちを聞いてもらったり、日記を書いたりして吐き出しましょう。

 

 

 

3.相手を冷静に観察する

 

少し自分の気持ちが安定してきたら、相手を客観的に観察してみましょう。言動や行動に矛盾があることが見えてくるはずです。ダブルバインドに振る舞う背景には、自分のことにいっぱいいっぱいで周囲が見えなかったり、その人自身の精神的な未熟さがあることが多いので、そういった背景が見えてくると精神的に余裕を持って相手に接することができるかもしれません。

 

 

 

 

 

上記の対処をした上で、

 

あなたは、あなた自身の能力や功績とは関係なく、ありのままの自分を愛してもらえるということを知る必要があります。

 

それには、あなた自身の弱さをさらけ出す勇気を持つことも必要になります。

 

周りの人にあなたの悲しみや情熱、本当のあなたを理解するチャンスを与えてあげてください。

 

弱さを受け入れて、さらけ出せる人こそが、本当に強い「自己一致した人」といえます。

 

 

 

 

まずは、一人で抱え込まずに、周囲の人に助けを求めましょう。

 

 

もし、助けを求めることや甘えることもできない自分に気づくことができたなら、早めにご相談ください。